こんにちは。
今回は前回の続きで、 Power Automate でフローを作成する手順についてご紹介いたします。
前回ご説明した休暇申請の処理で、以下のようなフローを作成していきます。
【SharePoint リストを準備する】
まず最初に、申請を記入する SharePoint リストを作成します。
1. リストを設置する SharePoint Online チームサイトを表示します
2. [+ 新規] をクリックし、[リスト] を選択します
3. [リストの作成] が表示されるので、使用したいリストを選択しましょう
今回は [空白のリスト] を選択します
4. 名前と説明を入力して [作成] をクリックします
5. 新しいリストが作成されるので、[列の追加] をクリックします
6. 休暇の開始日の列を作成したいので、[日付と時刻] を選択します
7. 名前と説明を入力し [保存] をクリックします
8. 同じ手順で [終了日] 列を作成します
9. [列の追加] – [個人] を選択し、名前を「申請者」にします
[種類] が「ユーザーまたはグループ」になっていることを確認してください
※「プロフィール写真の表示」はオプションです。「いいえ」でも問題ありません
10. [列の追加] – [はい/いいえ] を選択し、名前を「承認結果」にします。
※ここでは最低限の列のみ作成しています。必要に応じて列を追加してください。
【Power Automate の Web サイトにアクセスする】
Power Automate はクラウド サービスです。
そのためクラウドで実行されるフローの作成や管理はすべて Web サイトから行います。
Power Automate の Web サイトのアドレス: https://japan.flow.microsoft.com/ja-jp/
サインインを求められたら、組織アカウント(Microsoft 365 / Office 365 のアカウント)でサインインしてください。
【フローの作成を開始する(上司の取得まで)】
実際にPower Automateにてフローを作成していきます。
1. 画面左のメニューから [作成] をクリックします
2. ここではテンプレートを使わず最初からフローを作成します
[一から開始] の [自動化したクラウド フロー] をクリックします
3. [フロー名] に分かりやすい名前を入力します
[フローのトリガーを選択してください] では [項目が作成されたとき] を選択します
4. [作成] をクリックすると、フローの作成画面が表示されます
3にて選択した [項目が作成されたとき] がフローのトリガー(フローの自動実行を開始するきっかけ)として表示されています
5. [サイトのアドレス] の右側の をクリックすると、テナント内のサイトのアドレスが一覧表示されます
先ほど申請入力用リストを設置したサイトを選択してください
6. [リスト名] も同様に をクリックすると、選択したサイト内のリストが一覧表示されます
申請入力用に設置したリストを選択してください
7. [新しいステップ] をクリックします
[操作を選択してください] が表示されます
8. このステップではリストに新規追加された項目にある [申請者] 欄の情報を元に、
その上長(マネージャー)のメールアドレスを取り出す操作を行います。
そのために [Office 365 Users] コネクタを利用します
[コネクタとアクションを検索する] 欄に「Office 365」と入力すると、 [Office 365 Users] コネクタが見つかります
9. [Office 365 Users] をクリックすると、[Office 365 Users] コネクタが挿入されます
アクションの一覧から [上司の取得(V2)] を選択してください
10. ここで入力するのは上司を調べるユーザー、つまり休暇申請リストに入力された申請者のメールアドレス(=UPN)です
[ユーザー プリンシパル名または ID] 欄をクリックすると、動的なコンテンツや式を入力するパネルが表示されます
※表示されない場合は [動的なコンテンツの追加] をクリックしてください
参考:
[動的なコンテンツ] とは、以前のステップで入力/取得された情報を変数のように扱うことができる Power Automate の機能です。
ここでは [項目が作成されたとき] で取得された新規のリスト項目の情報が [動的なコンテンツ] として表示されています。
11. 動的なコンテンツの一覧から [申請者 Email] を選択します
【フローの作成(承認処理)】
1. [新しいステップ] をクリックし、「承認」 を検索して [承認] コネクタを見つけます
2. [承認] コネクタを選択し、[開始して承認を待機] アクションを選択します
3. [承認の種類] で [承認/拒否 – 最初に応答] を選択します
4. [タイトル] は承認者に送られる通知の件名になります
「承認申請 – 」と入力した後、[動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [Title] を選択します
5. [担当者] 欄は [動的なコンテンツの追加] から [上司の取得(V2)] の [メール] を選択します
6. [詳細] 欄は承認者に送られる通知の本文になります。動的なコンテンツを含めて、自由に記載できます
ここでは [動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [申請者 DisplayName] と [登録日時] を使って以下のように記入します
7. [アイテム リンク] には承認の対象となるアイテム(ここでは休暇申請リスト)へのリンクを追加します
[動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [アイテムへのリンク] を選択します
8. [アイテム リンクの説明] は承認の対象となるアイテムの説明を入力します
ここでは [動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [名前] を選択します
9. [新しいステップ] をクリックし、[操作を選択してください] から [コントロール] を選択します
10. [条件] を選択します
11. [値の選択] で [動的なコンテンツの追加] から [開始して承認を待機] の [結果] を選択し、
[次の値に等しい] を選択して [値の選択] に Approve と入力します。
※ ”Approve” は大文字小文字もこの通りに入力してください
12. [はいの場合] ボックス内の [アクションの追加] をクリックし、
「Office 365」を検索して [Office 365 Outlook] を見つけ選択します
13. [アクション] で [メールの送信(V2)] を選択します
14. [宛先] 欄は [動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [申請者 Email] を選択し、
件名は [動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [Title] を使って以下のように入力します
15. [本文] は必須ですが自由に記載できます
をクリックすると HTML 構文で記述できます
16. 同じ手順で [いいえの場合] にもメールの送信を追加します
17. [はいの場合] の [アクションの追加] をクリックし、
「SharePoint」を検索して選択、[アクション] で [項目の更新] を選択します
18. [サイトのアドレス] と [リスト名] は休暇申請リストのあるサイトと申請リスト名を選択、
[ID] と [Title] は [動的なコンテンツの追加] から [項目が作成されたとき] の [ID] と [Title] を選択、
[承認結果] は [はい] を選択します
19. 同じ手順で [いいえの場合] にも項目の更新を追加します
【フローの作成(エラー通知)】
1. [上司の取得(V2)] で上司(マネージャー)情報の取得に失敗した場合(マネージャー情報が登録されていなかった場合)に、
申請者にエラーを通知するフローを追加します
[上司の取得(V2)] と [開始して承認を待機] の間の (+) をクリックし、[並列分岐の追加] をクリックします
2. [操作を選択してください] で「通知」を検索し、[通知] コネクタを選択します
3. [アクション] で [メール通知を受け取る] を選択します
4. [件名] と [本文] を入力します。
5. 通知の実行条件を構成します。[メール通知を受け取る] の […] をクリックし、[実行条件の構成] を選択します
6. [に失敗しました] にチェックを入れ、[完了] をクリックします
6. [上司の取得(V2)] に失敗した場合はエラー通知の送信で処理を終了させます
[メール通知を受け取る] の下に表示される (+) をクリックし、[アクションの追加] をクリックします
7. [操作を選択してください] で [コントロール] を選択します
8. [コントロール] から [終了] を選択し、[状態] 欄で [成功] を選択します
※フロー自体のエラーではなく、フロー実行のための外部の情報が不足しているので、フローの実行は「成功」です
以上でフローの作成が完了しました
画面右上の [保存] をクリックして、フローを保存してください。
画面左上の [←] をクリックすると、フローの概要画面が表示されます。
実際のフローの作成や管理に役立つ機能については、次回の投稿で解説します。
Power Automate については YouTube の えくしーど・ちゃんねる – YouTube でも配信していますので、
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それでは次回の更新でお会いしましょう。
お疲れ様です。