カレンダーを一発表示 – Outlook の裏技?

Officeアプリ
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Microsoft 365 を利用して、Teams でミーティングのスケジュールを作成したり、会議室や備品のリソース メールボックスを作成して利用予定を管理したりする場合、それらの予定は主に Outlook のカレンダーで確認することになるでしょう。

ところが、Outlook は、従来の Outlook も新しい Outlook も起動時にはメール画面が表示され、カレンダー(予定表)表示するにはそこから画面を切り替える必要があります。

新しい Outlook であればアイコンを右クリックして、ジャンプ メニューから [カレンダーを開く] でカレンダーの起動ができますが、右クリックして選択という2アクションが必要です。

新しい Outlook で「カレンダーを開く」

ショートカットでカレンダーを開く(従来の Outlook)

従来の Outlook の場合、以下の資料に起動時のオプションが記載されています。

これによれば、Outlook の起動時にカレンダーを表示するには、/select outlook:calendar というオプションを付ければよいことが分かります。

実際に

"C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\outlook.exe" /select outlook:calendar

をコマンド プロンプトや「ファイル名を指定して実行」から実行すると、Outlook が起動してカレンダーが表示されます。

後はこのコマンドのショートカットを作成し、必要に応じてスタートメニューやタスクバーにピン留めしましょう。

Outlook のカレンダーを開くショートカットのプロパティ

ショートカットでカレンダーを開く(新しいOutlook)

新しい Outlook も、ジャンプ メニューに [カレンダーを開く] があるので、起動時にカレンダーを開く方法がありそうです。しかし起動時のオプションの公開情報が無いので、実際に調べてみることにします。

新しい Outlook のアイコンを右クリックして [カレンダーを開く] でカレンダーを開きます。その上で Process Explorer を起動して、新しい Outlook のプロセス(olk.exe)のプロパティを確認しました。

Process Explorer でコマンドラインを確認する

ここに表示されている [Command line] で新しい Outlook のカレンダーを表示するコマンドは以下であることが分かりました。

"C:\Program Files\WindowsApps\Microsoft.OutlookForWindows_1.2025.506.300_x64__8wekyb3d8bbwe\olk.exe" ms-outlook:launch:calendar

olk.exe に ms-outlook:launch:calendar というオプションを付けるとカレンダーが起動できるようです。

ただしこのコマンド ラインはインストールされているフォルダー名を含みますが、フォルダー名にはバージョン番号(1.2025.506.300)が含まれているため、Outlook がバージョンアップされるごとにコマンドも変更しなければなりません。これでは不便なので、アプリを起動する URL スキームを利用することにします。

アプリを起動する URL スキームは以下のような方法で確認できます。

AppxManifest.xml を調べる

アプリがインストールされているフォルダー名内の AppxManifest.xml にアプリが登録する URL スキームが書かれています。新しい Outlook の場合、以下のように記載されています。

           <uap:Extension
                Category="windows.protocol">
                <uap:Protocol Name="ms-outlook" />
            </uap:Extension>
            <uap:Extension
                Category="windows.protocol">
                <uap:Protocol Name="mailto" />
            </uap:Extension>
            <uap:Extension
                Category="windows.protocol">
                <uap:Protocol Name="webcal" />
            </uap:Extension>
            <uap:Extension
                Category="windows.protocol">
                <uap:Protocol Name="webcals" />
            </uap:Extension>

実際に [ファイル名を指定して実行] で start ms-outlook: などのように実行して確認すると、ms-outlook: が新しい Outlook を通常起動する場合の URL スキームであることが確認できました(スキームなので後ろに : を付けて使います)。

「既定のアプリ」で確認する

Windows 11 であれば、もっと簡単に [設定] – [アプリ] – [既定のアプリ] からも確認できます。

[既定のアプリ] で URL スキームを確認する

ここからも、新しい Outlook の起動 URL スキームが ms-outlook: であると分かります。

ショートカットの作成

実際に以下のコマンドをコマンド プロンプトから実行すると、新しい Outlook が起動します。

start ms-outlook:

次はカレンダーを表示させる起動オプションですが、先ほど調べたコマンドラインから、launch:calendar を付けると良さそうです。実際に以下のコマンドで新しい Outlook のカレンダーが起動します。

start ms-outlook:launch:calendar

後はこのコマンドを利用して、ショートカットを作成すれば良いのですが、start コマンドはコマンド プロンプトの内蔵コマンドなので、このままではショートカットにできません。

そこで以下の内容のバッチファイル(ここでは calendar.bat という名前を付けています)を作成します。

バッチファイルの内容

そしてこのバッチファイルを実行するショートカットを作成します。

ショートカットのプロパティ

このショートカットを実行すると、新しい Outlook のカレンダーが起動します。

※ショートカットからの実行の初回だけ、Defender で警告が表示される場合があります。その場合は [詳細] をクリックして [実行] を選択してください。

作成したショートカットをスタートメニューやタスクバーにピン留めすることで、カレンダーを一発起動できるようになります。

この記事を書いた人

MurachiAkira
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