Microsoft Azure の IaaS で仮想マシンを作成する際、仮想マシンで実行するワークロードに対してどのようなシリーズでどのようなサイズの仮想マシンが適切か、考えなければなりません。
Azure VM セレクターの廃止
こうした仮想マシン選択のガイドとして、「Azure VM セレクター」が提供されていました。しかし Azure VM セレクターにアクセスすると以下のように表示され、このサービスはまもなく(2025年1月)廃止されることが分かります。
メッセージに書かれているように、今後は仮想マシンのサイズ選択は Microsoft Copilot in Azure を利用することになるようです。
そこで、実際に Microsoft Copilot in Azure に仮想マシンのサイズ選択について質問してみました。
Microsoft Copilot in Azure を利用する
Microsoft Copilot in Azure は Azure ポータル上部の [Copilot] ボタンをクリックして呼び出すことができます。
ただし Microsoft Copilot in Azure はまだプレビュー段階で、日本語でのチャットは対応していません。
そこで、一時的に Azure ポータルの表示言語を英語に変更して、Copilot を利用します。
表示言語を変更するには、Azure ポータルの [設定] ボタンをクリックします。
左側のナビゲーションで [地域と言語] を選択して、[言語] を English に変更し、[適用] をクリックします。
これで Azure ポータルの表示言語が英語となり、[Copilot] ボタンをクリックするとプロンプトが入力できるようになります。
※表示言語を変更しても既存のリソースへの影響はありません。
VM サイズ選択を Copilot に相談する
それでは実際に Copilot に仮想マシンのサイズ選択を相談してみましょう。
最初は簡単に「Help me choose a size for my VM」と聞くだけで大丈夫です。するとそれに対して Copilot はまずどこのリージョンに仮想マシンをデプロイするのか聞いてきました。
[japaneast] を選択して [Submit] すると、サイズの推奨を行うには Microsoft.Help リソース プロバイダーをサブスクリプションに登録する必要がある言ってきました。登録するかどうかボタンが表示されますので、[Register] をクリックして登録します。
※リソース プロバイダーの登録は初回利用時に1回だけ求められます
しばらくしてリソース プロバイダーの登録が終わると、VM サイズ選択に必要な情報を示し、それらの情報を入力するよう求めてきます。
1. 仮想マシンで実行するアプリケーションやサービス
2. 利用するユーザー数
3. 特定の CPU や RAM の指定があるかどうか
4. 運用環境なのか、開発/テスト環境なのか
今回は 1. について Active Directory ドメイン サービスのドメイン コントローラーであると答えました。
すると、以下のように推奨されるシリーズ・サイズを回答してくれます。
利用者数を指定していなかったので、追加で入力すると、上記の推奨からさらに絞り込んだ回答を出してくれました。
このように、Copilot との対話で適切な仮想マシンのシリーズ・サイズを知ることができます。
GA、日本が対応が待ち遠しい機能です。
追加の質問を行う
仮想マシンのシリーズ・サイズの推奨の後で、この次のプロンプトの候補がいくつか表示されます。
ここでは仮想マシンのバックアップについて聞きたいので、what are the backup options for my VM? を選択してみました。
すると、以下のように仮想マシンのバックアップが行えるソリューションを示してくれます。
また追加の質問(プロンプト)の候補も表示されます。
Azure Site Recovery のセットアップ方法を尋ねてみます。
以下がその答えです。
このように Copilot は仮想マシンのサイズ選択だけでなく、そこから派生するさまざまな疑問に答えてくれます。
まとめ
Azure VM セレクターは廃止されますが、Microsoft Copilot in Azure を利用すると対話的に仮想マシンの適切なシリーズ・サイズを知ることができます。またそこから派生する他の Azure の機能・サービスについてもすぐに質問して回答を得ることができるので、Azure 上のシステムやサービス、アプリケーションを構築する際に Copilot は有効な相談相手となります。
現時点では日本語での入出力に対応していませんが、Microsoft Translator などの翻訳サービスを利用すればプロンプトの入力・回答の読み取りも難しくありません。ぜひ実際に使ってみてください。
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