こんにちは。
今回は 仕事に役立つアプリケーションを少ないローコードで短時間に構築・実行できるサービス、Power Apps の紹介をします。
Microsoft 365 のユーザー*1は、 Power Apps を使って Microsoft 365 に保存されているデータを利用するアプリ*2を作成、実行できます。
*1 Microsoft 365 F1 はキャンバス アプリの実行のみ
*2 作成できるアプリの種類は下記「ライセンス」を参照してください
■Power Apps の特徴
Power Apps は以下のような特徴を持つサービスです。
- 簡単にアプリ作成ができます
- プログラミングの知識がなくても、ロー コーディングで作成できます
- 短期間でアプリ作成ができます
- アプリのベースが用意されています
- PC とモバイル（スマートフォン、タブレット）から利用できるアプリが作成できます
- テンプレートからすぐにアプリを作成する事もできます
- さまざまなデータにアクセスできます
- 一つのアプリ内で複数のデータ ソースを利用できます
- Microsoft 365 サービス、アプリとの親和性の高い連携ができます
- 強固なセキュリティーど保護されています
ロー コーディングとは、コーディング（プログラミング言語での記述）をまったく必要としない「ノー コード」とは異なり、部分的にプログラミングとしての少量の記述が必要であることを示しています。
とは言っても、Power Apps でのコーディングは Excel のワークシート関数の記述と似ているためExcel で関数を使った計算式を記述できれば、Power Apps のコーディングも難なくできるでしょう。
まとめると、Power Apps はさまざまなデータやサービスと柔軟に連携でき、簡単にアプリを作成できるサービスです。
■Power Apps の例
Power Appsにて作成可能なアプリの例をご紹介します。
① 顧客に対する営業データを簡単に確認できるアプリ
顧客を検索して、その営業データを Dynamics 365 や SharePoint Online から取り出し、グラフ化して表示するアプリが作成できます
②業務報告アプリ
報告事項をタップして選択するだけで、Teams などに業務報告が投稿されるアプリが作成できます
応用として、ワンタッチで緊急連絡ができるアプリも作成できます。
■Microsoft Dataverse
Microsoft Dataverse は Power Platform と Microsoft Dynamics 365 のためのデータ ストア（保存場所）です。
Power Apps では、アプリで使用する独自のデータの保存場所として Microsoft Dataverse が利用*ができ、複数のアプリから共通のデータを利用することも可能です。
Dataverse はビジネスで良く使われる名前、年齢、給与など、特定のタイプのデータを格納するように設計されていますが、それ以外にもテキストや数値、ファイルやイメージなどさまざまな種類のデータを、リレーショナル、非リレーショナルいずれの形式でも格納できます。
SQL データベースなどのデータベースと異なり、Power Apps から Dataverse へのアクセスはコードを記述する必要がないため、ロー コーディングでのアプリ作成が実現できます。
*Microsoft 365 のライセンスで Power Apps を利用する場合にはいくつかの制限があります
■ライセンス
Microsoft 365 のライセンス*で、Microsoft 365 データ（SharePoint Online、OneDrive for Busuness、Exchenge Online、Teams、Yammer、Stream など）と連携した Power Apps キャンバス アプリを作成、実行、共有できます。
Microsoft 365 のデータと連携するために外部のデータ ソース（Box.com、Facebook など）に標準コネクタを使用して接続することも可能です。
Power Apps で作成できるアプリのモデルは「キャンバス アプリ」「モデル駆動アプリ」「ポータル」の 3 種類があり、Microsoft 365 ライセンスで利用できるのはキャンバス アプリだけです。
モデルの違いについて詳しくは次回以降で解説しますが、「キャンバス アプリ」はスマートフォンやタブレット、PC で利用できて、データの編集・閲覧・登録等の操作が可能なもっとも一般的なアプリのモデルです。
* Microsoft 365 F1 はキャンバス アプリの実行のみ
Microsoft 365 のライセンスで利用できる Power Apps の機能は下表のとおりです。
| 機能 | Microsoft 365 用 Power Apps |
| アプリの作成、実行、および共有 | ○ |
| Microsoft 365 のコンテキストでキャンバス アプリを実行する | ○ |
| Microsoft 365 データへの接続 | ○ |
| 標準コネクタを使用してクラウド サービスに接続する | ○ |
| ブラウザーまたは iOS および Android 用 Power Apps モバイルで アプリを実行する | ○ |
| オフラインでキャンバス アプリを実行する | ○ |
| Microsoft 365 管理者が確立するデータ ポリシーのサポート | ○ |
| オンプレミスのデータにアクセスするか、 Premium またはカスタム コネクタを使用する | × |
| Microsoft Dataverse へのアクセス | ○ (制限あり) |
標準コネクタ以外の Premium コネクタやカスタム コネクタを利用する場合、オンプレミスのサーバー上のデータにアクセスする場合はPower Apps のライセンスが必要です。
Power Apps ライセンスの価格については以下を参照してください。
- 価格 – Power Apps (microsoft.com)
https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/pricing/
■導入事例
Power Apps を活用して多くな成果をあげた例として、ロンドン ヒースロー空港のケースがよく紹介されています。
ヒースロー空港では 7万人以上の従業員が、お客様案内のための分厚いマニュアルを持ち歩く、ちょっとした申請ごとに複数の書類を作成する、内部監査のための資料を作成するというような、効率が悪く改善が求められる多くの問題を抱えていました。
この問題の解決に動いたのは IT の専門部署でも、外部のコンサルタントでもなく、セキュリティー部門の担当者でした。
自分の課題を解決するために独学で学んだ Power Apps や Power Automate を使って案内用のカタログをアプリ化しました。
続けて手続きに必要な作業をまとめて行えるアプリも開発すると、評判を聞いた従業員にアプリが急速に普及していきます。
さらにアプリのユーザーからアプリ作成者（スーパーユーザー）を養成し、各部署のスーパーユーザーが自分の部署で求められるアプリを独自に作成できるようにしていきました。
業務の担当者が自ら必要なアプリを作成することで、ユーザーが使いやすく最も効率化が図れるアプリが続々と誕生します。
最初のアプリ開発者が異動した IT 部署もこれに協力し、Power Apps のための環境準備、データ保護やセキュリティに対するアドバイス、アプリの管理やライフサイクルの手法の提供、スーパーユーザーの育成などで、アプリの作成と活用を後押ししました。
こうした活動の成果はすぐに表れ、導入 1 年目で 1,500 万円の人件費削減、850 時間の残業削減、25,000 枚の紙書類削減、5,000 万円分の開発費削減が果たせました。
ヒースロー空港の事例の詳しい内容は、以下で紹介されています。
その他の事例も以下から参照できます。
Power Platform 導入事例 – Microsoft Dynamics
次回は、実際に Power Apps を作成する手順をご紹介します。
今回の内容は動画でも紹介しておりますのでご視聴いただけますと嬉しいです。
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【超入門編】Power Appsで簡単にアプリ作成！誰でもできるアプリ開発サービスを紹介 ～PowerAutomate & Appsシリーズ～【在宅ワークでアプリ開発】
それでは次回の更新でお会いしましょう。
お疲れ様です。
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