Azure からのデータ転出が無料化されました

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Microsoft Azure は優れたサービスですが、何らかの理由で Azure の利用を中止して、別のクラウド サービスやオンプレミス環境にデータを移動させたい場合もあります。そのような場合のデータ転送料金が無料になりました。これはユーザーがベンダー(クラウド)ロックインとなるのを避ける、とても良い対応です。
Now available: Free data transfer out to internet when leaving Azure

Azure のエグレス料金

Azure では元々、インターネットへのエグレス(外部送信)データは1か月あたり最初の 100GB は無料でした。
料金 – 帯域幅 | Microsoft Azure

とは言え、Azure で一定の規模のサービスを実行していたり、ストレージとして活用していれば、そのデータ利用はテラバイト単位になることも少なくありません。このようなデータを別のクラウドやオンプレミス環境に移行すると、インターネットへのエグレスとなるので 100GB/月を超える分は従量課金されます。

例えば日本リージョンにあるデータを移行する場合、100GB/月を超えると 1GB あたり 18 円弱の料金が発生します。移行したいデータのサイズが大きい場合、これはそれなりに大きな費用となります。

無料化の条件

こうしたユーザーの負担を軽減するため、Azure では一定の条件を満たせば別のクラウド サービスやオンプレミス環境にデータを移動させる際のエグレス料金が無料となります。
※対象となるのは Azure ストレージからのインターネットへのエグレスです。データの移動に Express Route、Express Route Direct、VPN、Azure Front Door、Azure Content Delivery Network (CDN) などを利用した場合、これらのサービスの料金は無料の対象外です。

無料となる条件は以下の通りです。

  • 事前にサポート リクエストを作成して、移転を行うことを通知する
  • サポート リクエストの受付から 60 日以内にデータを転送する(サポート リクエスト時に延長希望申請が可能)
  • データ転送後、アカウントに関連付けられているすべてのサブスクリプションを取り消す
  • 使用終了時に発生したエグレス料金の払い戻しのリクエストを作成する(最初のサポート ケースの継続でも、新規ケースでも可)

実際にエグレス料金が無料になるかどうかは、データの移動が規定されている条件を満たすかどうか判定された後になります。サポート リクエストを送信した後、サポート担当者と十分なコミュニケーションを取って、条件から外れないよう注意してください。

なお、CSP などのリセラー経由で Azure 契約を行っている場合は、リセラーに相談してください。サポート リクエストの送信やサブスクリプションの取り消し、払い戻しなどはリセラーが行います。

なお、データ転送後に取り消す必要があるのはサブスクリプションなので、テナントやアカウントはそのまま残ります。必要に応じて、新しいサブスクリプションを契約して、再度 Azure を利用することは可能です。

参考情報:すべてのデータを Azure から移動する場合、どのようなデータ転送料金が適用されますか?

この記事を書いた人

MurachiAkira
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